2008-03-30

ウェブ時代の5つの定理 ([著]梅田望夫, [版]文藝春秋) #2

p.126
強い「プロダクト志向のカルチャー」が必要だ。 -- スティーブ・ジョブズ
You need a very product-oriented culture. -- Steve Jobs

この言葉を製品へのこだわりと読むのは簡単だけど、もう一歩踏み込んで考えたい。プロダクトとは最終的なユーザの手に触れるもの。そしてユーザに価値を持たらすもの。すなわち「プロダクト志向」とはエンドユーザにとっての価値を実現することを第一に考えることではないだろうか。

大きな組織に属していると自分の労働や成果がどんな価値を持っているのかが見えにくくなる。(たとえ製品開発であったとしても)プロジェクトメンバーだけで数百人、利害関係者をふくめるとさらにその数が増える、そんな状況ではメンバー一人、一人の貢献は部分に埋没してしまい、製品のユーザにとっての価値に結びつかない。それで「良い」製品などできるはずがない。

技術者、とくにモノづくりにこだわりたいと願う者にとって、何を(誰にとってのどんな価値を)作っているのかがわからなくなることは、仕事に対するモチベーションを大きく下げる要因になる。

常にユーザにとっての価値を思い、その実現に力を注ぐこと。それを可能にする組織であったり、開発手法であったり、技術者自身であったり。それがジョブズの言う「強いプロダクト志向のカルチャー」なのだろう。

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