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2008-11-28

10歳になったGoogle ([著]Googlerたち, [版]Official Google Blog) #7

Building a future that's clean and green -- Posted by Bill Weihl, Green Energy Czar (9/22/2008)

But for that vision to become real, the technologies to power it will have to be economically competitive -- otherwise they won't scale. So we are focusing much of our effort on technology innovation to drive down the costs of key renewable technologies.

これからの10年の間に、世界はより清潔に、緑あふれるようになる。それを夢見ている、と。ただしそのためには、エネルギーに関する新技術(ないしは既存のものへの革新)が必要である。さらに、それが従来の化石燃料を燃やしたり、重い元素を分裂させたりと言った方法とくらべて「安い」ものでなければならない。でないと、普及しないから。だから(Googleでは)既存の(革新可能な)技術のコストを下げることに注力している、と。

まあ、そんな内容。無闇に新しい代替手段を求めるのではなく、すでにあるけどコスト的に見合わないものを、競争力のある程度にまでコストを下げる方法を探る、という現実的な路線を選ぶところがgoogleっぽい、ってところかな。

2008-10-31

10歳になったGoogle ([著]Googlerたち, [版]Official Google Blog) #6

Wiping out the next smallpox -- Posted by Dr. Larry Brilliant, Google.org (9/23/2008)

There is no Nobel Prize for "Preventing a Pandemic," and the hardest part about working in this field is imagining the unimaginable.

「パンデミック(感染爆発)を防ぐことに対するノーベル賞はない」
それは地味な(それでいて困難な)活動なのだ。

ある病気(伝染病)の治療法や予防法を発見したら、ノーベル賞も夢ではないかもしれない。けれど、「発見した」だけで自動的に世界から病気が消えてなくなるわけではない。病気の根絶は不可能ではないにせよ、人、カネ、物を大量に必要とする活動なのだ。

google.org では、さまざまな技術を駆使して「パンデミック」と闘っていくよ、と。地味(で困難)な活動だからこそ、われわれ(Googleとその賛同者たち)はチャレンジするんだ、という意思が読み取れる。

10歳になったGoogle ([著]Googlerたち, [版]Official Google Blog) #5

The intelligent cloud -- Posted by Alfred Spector, VP Engineering, and Franz Och, Research Scientist (9/18/2008)

It will be used by billions of people and learn from an aggregate of potentially trillions of meaningful interactions per day.

When combined with the creativity, knowledge, and drive inherent in people, this "intelligent cloud" will generate many surprising and significant benefits to mankind.

並列化によりコンピュータの処理能力が向上(50~100倍)すること、より多くの人々が様々な機器によってネットとつながること(新しい機器も登場する)。これにより、空前の処理能力を使って巨大なスケールの情報を扱う「賢い」システムが出現する。さらに、そのシステムは(その能力を使う)人々と相互作用することでさらに「学び」(人が持つ創造性、知識、意思をもデータとして取り込むことができるようになる)、賢さを増していく。といような内容。

一言で言うなら、量から質への転化、ってことなんだけど、どのようにして、その転化が現れるのかを(一例で良いから)書いて欲しいもの。

単純にウェブページを検索できるだけなら役に立たない。PageRankのような「しかけ」を入れることで Google は検索エンジンとして成功した。けれど Google の検索結果を見て「賢い」とは誰も思わないだろう。検索できること、さらにそこそこ有用な結果が返ってくることで「便利になったなあ」とは思うけれども。

何が何と、どうつながっていくと「賢さ」が現れるのだろう?

10歳になったGoogle ([著]Googlerたち, [版]Official Google Blog) #4

The future of online video -- Posted by Chad Hurley, CEO and Co-Founder, YouTube (9/16/2008)

Ten years ago the world of online video was little more than an idea.

Today, there are thousands of different video sites and services.

Today, 13 hours of video are uploaded to YouTube every minute,

In ten years, we believe that online video broadcasting will be the most ubiquitous and accessible form of communication.

10年前、オンラインビデオはごく一部の人だけが使えるものだった。今日では、何千ものビデオサイトができ、YouTube には毎分、13時間分の動画が投稿されるようになった。次の10年では、オンラインビデオが人々のコミュニケーションの中心メディアとなるだろう。

と、そんな内容。短かいから余計に感じるのだけど、読むべき内容はあまりない。なぜこうなったとか、どうしてそうなるというような「中身」がないのだ。

2008-10-27

10歳になったGoogle ([著]Googlerたち, [版]Official Google Blog) #3

The social web: All about the small stuff -- Posted by Joe Kraus, Director of Product Management (9/14/2008)

What makes two friends feel "close" to one another? I'd argue that a big part of it is the small details that you know about each other.

In the coming decade, the web will become as effortlessly social as chatting with your family or roommates at home is today. Social features will be embedded and around and through all variety of spaces and places on the web.

Fast forward ten years, and you'll feel even more at home on the web than you do today - because it will be a pretty good reflection of you.

"近しさ"は小さなコトを知り合うことにある。なぜなら、小さなコトを知ることは、離れていると難しいから。この先の10年で、ウェブには"近しさ"を感じるための仕掛けであふれるようになるだろう。というような内容。

2008-10-16

10歳になったGoogle ([著]Googlerたち, [版]Official Google Blog) #2

The democratization of data -- Posted by Hal Varian, Chief Economist (9/21/2008)

ITは「データの民主化」を可能にした、と。これは平たく言うと、昔は(といっても10年とか15年ぐらい前だけど)、一部の巨大企業だけが収集し、分析し、評価することができた大量のデータを、今では誰でも扱うことができるぞ、ということ。

コンピュータの変遷、とくにマイクロプロセッサとインターネットのそれを見てきた人なら、この「大量のデータを誰でも扱えるようになった(それも手軽に)」という指摘に同意するだろう。その変化の波を一番うまく乗りこなしたのが他でもないGoogleだ。「Googleを支える技術」でその一端が明らかにされたように、Googleの内部では日々、大量の(本当に大量の)データが処理され続けている。われわれはその成果を無料に近いコストで享受している。「Google以後」に成長した世代には、Google(とそれを可能にしたIT)が存在しなかったときに、人がどうやって暮らしていたかが想像できないかもしれない。

で、最後はこう問う;

what can big companies do now that small companies can't currently afford?
今はまだ小さな企業にはできなくて、大企業だけができることにはどんなものがある?

例として挙がっているのは、コンサルタントや専門家を雇うこと、多年にわたるデータに基づいた市場分析(むむむ、自信なし; marketing intelligenceって何?)、宣伝活動をともなう実験、多数の国々で販売活動をすること。これらはいずれITによって「民主化」される、と。でもって、Googleはそれを促進したいんだ、と。

2008-10-04

もっとも美しい数学 -- ゲーム理論 ([著]トム・ジーグフリード, [訳]冨永星, [版]文藝春秋) #5

以下、要約のようなメモ。

第三章

  • 二人ゼロ和ゲームについてのノイマンの理論は実生活には応用できなかった。
  • ナッシュは「交渉問題」の研究から、多数のプレーヤーが参加するゲームにおいて、各プレーヤーの利得が最大になるような混合戦略の組が存在することを示した。
    交渉問題
    二人ゼロ和ゲームとちがい、交渉次第でプレーヤー全員が利益を手にする可能性がある。
  • → ナッシュ均衡
  • ナッシュの数学によって、ある社会状況がどのように安定するかが理解できるようになった。
  • ナッシュの数学を使って、ゲーム理論学者たちはさまざまな"ゲーム"を生み出した。
  • → 例: 囚人のジレンマ
    ナッシュの理論によって、"協力する"組み合せが不安定であることがわかる。
  • ナッシュの理論以後、ゲーム理論はさまざまな分野で使われるようになっている。
  • 一番、派手に力を発揮したのが生物学の分野だった。

さらにまとめると・・・潜在的な応用の可能性はともかくとして、実用性に乏しかったそれまでのゲーム理論が、ナッシュの貢献によって実用性が開花した、と。

2008-09-23

もっとも美しい数学 -- ゲーム理論 ([著]トム・ジーグフリード, [訳]冨永星, [版]文藝春秋) #4

以下、要約のようなメモ。

第二章

  • ゲーム理論は経済学の普遍的な体系になりうる。
  • → アダム・スミスの思想のニュートン化
  • 「ゲーム理論と経済行動」(ノイマン, モルゲンシュテルン)
  • → 近代ゲーム理論の成立
  • 二つの単純な着想:
    • 効用: 求めるものを測る尺度
    • 戦略: どうやって手に入れるかという手段
  • たいていの場合、効用は自明ないしは明確に定義できる(と考える)。一方で、戦略は単純ではない。
  • ノイマンが証明したこと:
    • 二人ゼロ和ゲーム全般について
      実行可能な最良の戦略を見つける術が存在する。

さらにまとめると・・・近代ゲーム理論はノイマンに始まり、それは戦略についての研究である。さらにノイマンはモルゲンシュテルンとの共著でゲーム理論が経済学のための数学になりうることを示唆した、と。(ちょっと長いゾ)

2008-09-22

もっとも美しい数学 -- ゲーム理論 ([著]トム・ジーグフリード, [訳]冨永星, [版]文藝春秋) #3

以下、要約のようなメモ。

第一章

  • ニュートンが物理世界に対して打ち立てた自然法則という概念を、経済交流という社会的な世界に対しても導き出そうとした。それがアダム・スミスの国富論である。
  • 国富論で描かれた法則はダーウィンの進化論にも影響を及ぼしている。
  • 世界を科学的に理解し、要約した三部作:
    • ニュートン: 「プリンキピア」
    • スミス: 「国富論」
    • ダーウィン: 「種の起源」
  • 20世紀半ばに登場した「ゲーム理論と経済行動」(ノイマン, モルゲンシュテルン)はこれに匹敵すると言われる日が来るかもしれない。

ちょっと、スミスの「国富論」に興味を引かれた。

もっとも美しい数学 -- ゲーム理論 ([著]トム・ジーグフリード, [訳]冨永星, [版]文藝春秋) #2

以下、要約のようなメモ。

序章

  • ゲーム理論は、人間の行動をより深く理解し、未来を予測しようという目的の下で生まれた
  • 21世紀に入るころには、人類学から神経生理学に至るまでの広範な分野で使われるようになった。
  • ゲーム理論は、すべての科学が研究対象としている現実世界の規則性を映し出す非常に強力な方法を提示している。
  • その数学を使えば、アシモフが思い描いたように、文明の文化や経済や政治といったものを作り出す集団としての社会的振る舞いが説明できる。
  • 人間の相互作用に見られる自然な秩序を理解するための鍵。
  • その中で、もっとも早い時期に形となり、強い影響力を持ったものの一つが「経済システム」という概念である。

さらにまとめると・・・ゲーム理論は集団としての人の振る舞いをモデル化するための数学理論である、となるか。

2008-09-17

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版) #6

まとめ

15章。

第15章 クモのいないクモの巣

スケールフリーネットワークは自己組織化する構造であり、クモのいないクモの巣である。

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版) #5

スケールフリーネットワークの実例

11章から14章。

第11章 目覚めつつあるインターネット

スケールフリーネットワークの実例としてのインターネット。その歴史と展望がまとめられている。

(p.226)
パラサイト・コンピューティングはこの設定を利用して、コンピュータには普通に通信をさせておきながら、マスターホストのコマンドに応じてコンピュータに強制的に計算をさせようというアイデアだ。これを実行するために、われわれはある複雑な計算問題を、合法的なインターネットのリクエストに見せかけた。コンピュータがパケットを受け取ると、そのパケットが旅の途中で傷まなかったかどうかをチェックする手続きがとられる。その計算をするうちに、コンピュータはわれわれが与えた数学の問題を解き、それをパケットに暗号化して組み込むのである。

これについては聞いたことがなかった。なんというか「SF」的なアイデアだ。ネットのどこかで創発が生まれていたりするのかも。

第12章 断片化するウェブ

スケールフリーネットワークの実例としてのWWW。単方向リンクが持たらす特性が示されている。

  • ネットワーク全体は、四つの大陸に分断されている。
  • 全貌を誰も知らない。
    • → 検索エンジン(ロボット)が訪ずれるのは 40 % (1999年当時)に過ぎない。
第13章 生命の地図

スケールフリーネットワークの実例としての「細胞内における化学反応」ネットワーク。

  • 代謝における化学反応ネットワーク
    • → 大多数の生物で、ハブとなる分子(上位10まで)が共通:
      1. ATP
      2. ADP
  • タンパク室の相互作用ネットワーク

これら細胞内のスケールフリーネットワークはどのようにしてできあがったのか?

→ タンパク質のネットワークの場合は、遺伝子コピーの際の遺伝子重複という種類のエラーによって作り上げられたと考えられる。ただ、これが唯一の要因とは限らないし、代謝ネットワークについては、当てはまるかどうか不明。

遺伝子を解読しただけでは生命現象の持つ複雑さ、多様性を説明できない。ネットワークこそがカギとなる。生命の(細胞内の化学反応の)ネットワークを解明することで、ヒトの病気の治療に役立つ。

第14章 ネットワーク経済

スケールフリーネットワークの実例としての「経済(ビジネス)世界で見られる様々なネットワーク」

  • (大企業の)取締役会: ハブが存在する。
    • → ここで言うハブは、複数の企業の取締役会に属している役員のこと。
  • シリコンバレーの従業員ネットワーク

これらビジネスの世界におけるネットワークがスケールフリーネットワークの特性を示すことの事例として以下が挙げられている:

  • カスケード故障(cf. p.172): アジア通貨危機
  • ウイルス的伝播(第10章): Hotmailの成功

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版) #4

ネットワークの特性

9章と10章。

第9章 アキレス腱

ハブを持つネットワーク(適応度付きの成長するスケールフリーネットワーク)は以下のような特性を持つ:

  • 故障に強い
  • (意図的な)攻撃に弱い
第10章 ウイルスと流行

(第9章の続き)
ハブを持つネットワークは以下のような特性も持つ:

  • ウイルスのような感染(ウイルス感染型の拡散)に弱い

言い方を変えれば、これがネットワーク(ハブを持つ・・・)の中を「何か」が拡散するときに示す特性。

2008-09-14

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版) #3

ネットワークモデルの進展

2章から8章まで。

第2章 ランダムな宇宙
  • ランダムネットワーク
    • グラフ理論 (ケーニヒスベルクの橋問題)
    • エルデシュ
  • → 巨大クラスターとなる(全てのノードがつながる)。
  • → 現実を写しとったモデルとは言えない。
第3章 六次の隔たり
  • ランダムネットワークは参加するノードの数とくらべて、直観に反するほどノード間の距離が小さい。
  • → 小さな世界
    • → 巨大クラスター(全てがつながる)となるから。
第4章 小さな世界
  • エルデシュ=レーニィのランダム・ネットワークモデル
    • → ネットワークが巨大な(単一の)クラスターになる(全てがつながる)。
  • グラノヴェッター
    • → 社会は高度に相互連結されたクラスタ構造 ⇒ ワッツ=ストロガッツのモデル
    • → 様々な(現実の)ネットワークにクラスタ構造が見られることがわかってきた。
第5章 ハブとコネクター
  • ハブとコネクターが存在する。
    • → クラスター構造でもない。
  • 三つの疑問
    • ひとつのネットワークに対し、ハブはいくつ存在するのか(できるのか)?
    • どのようにしてハブはできるのか?
    • なぜ、これまでのモデルではハブの存在を説明できないのか?
第6章 80対20の法則
  • スケールフリーネットワーク
    • → ベキ法則にしたがうネットワーク
    • → ハブが存在しうる。
  • 自己組織化、相転移が起きるときスケールフリーネットワークが出現する。
第7章 金持ちはもっと金持ちに
  • (現実の)ネットワークはランダムではない。
    • → 成長する。
  • ノードは平等ではない。
    • → 優先的選択(多くのリンクを持つノードほど、さらにリンクを獲得しやすい)
  • 「進化するネットワーク」の理論
    • → 自己組織化も相転移もいらない。成長と優先的選択という組織化の原理で説明できる。
第8章 アインシュタインの遺産
  • 「進化するネットワーク」の理論により生まれるスケールフリーネットワークには新入りが成功する見込みがない。
    • → これも、現実とは異なる。
  • 優先的選択に対して、適応度を取り入れる。
    • → 競争と成長による適応度モデル
    • → 新入りが生まれる余地ができる。
  • 「一人勝ち」ネットワーク
    • ある種のスケールフリーネットワーク(適応度つき)では「一人勝ち」が起きる。
    • → マイクロソフトがその実例

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版) #2

導入

第1章がこの部分。

  • 還元主義の限界
  • 部分を組み上げることができない。
    • 複雑性
    • 自己組織化
    • → どちらも「ネットワーク」がキーワード
  • ネットワークの普遍性
    • どこにでも見つけることができる。
    • → ネットワークで世界を理解できるのでは?

邦題の副題にもなっているように、世界のしくみを理解することが本書の目的。ネットワークの理論を通して、世界を見るということ。