2006-10-31

蓬莢 ([著]今野敏)

読了したのは先週の土曜日(2006-10-28)。コンピュータのシミュレーションプログラムが小道具として使われているのだけど、それを実行するのがスーパーファミコンだっていうのが時代を感じさせるね(この小説が最初に刊行されたのは1994年)。とはいえ、スーファミで日本の歴史(2000年ほどを丸ごと)をシミュレーションっていうのはいくら何でもムリがありすぎるよな。

2006-10-26

クオリア入門 心が脳を感じるとき ([著]茂木健一郎) #2

第2章を読み終わり、第3章を読み始めた。3つめの節「物理的時間と心理的時間」でおもしろい記述に出会った。それは・・・

シナプスの相互作用に有限の物理的時間がかかっても、それは、心理的時間の中では一瞬に潰れてしまう。
(p.107)

というもの。

「クオリア」はニューロンの発火で生まれ、その発火はシナプスの相互作用の連鎖が引き起こす。それには時間がかかる。たとえ短い時間であっても0(ゼロ)じゃない。ミリ秒が積み重なってクオリアが、そして心が作られるというのだ。クオリアや心と言ってしまうとよくわからないので、あえて語弊を覚悟して「認識」と呼んでしまおう。それで言い換えてみると、認識には物理的時間がかかるけれど人はその時間を認識できない。つまり認識にかかった物理的時間はなかったことになってしまう、ということ。

これって、主観的に時間を長く感じたり、短く感じたりすることを説明しているんじゃないだろうか。何かに集中しているときっていうのは時間を短く感じる。それって脳の中で「認識」が集中的に起こっているために、物理的時間がどんどん潰されていってしまい結果として短く感じる、ということなんじゃないかな。退屈な時間は長く感じる。それは脳で物理的時間を消費するような認識がほとんど起こらないからではないか。

正直言って、この本、かなり読みにくい(わかりにくい)から、ほとんど挫折しそうなんだけど、ここの記述はおもしろかった。この先、またおもしろい部分があるかもしれない。もう少しがんばって読んでみよう。

2006-10-24

MIND HACKS ([著]Tom Stafford, MattWebb, [訳]夏目大) #2

予定した通りに「7章 推論」を読んだ。内容は、人間は計算が苦手で、確率が分からず、論理はあやふや、偽の薬にもダマされる上に、保守的で変化を嫌う、というもの。人間全般に当てはまるかどうかはともかく、わたし自身はここに書かれている通りだった。

Hack #74の「現状維持のバイアス」で人間には「壊れていないものは直すな」という態度が進化の過程で組み込まれた可能性があると書かれている。だとすれば、プログラマはとても人間的だってことだ。プログラマというよりもエンジニア全般かな。動いてるんなら下手にいじらない方が良い。いつだってマーフィーが目を光らせているからね。

2006-10-23

クオリア入門 心が脳を感じるとき ([著]茂木健一郎)

ちくま学芸文庫の一冊。今朝から通勤の友として読み始めたもの。「プロローグ」を読み終わり、第1章の途中まで読んだ。「クオリア」とは何か? この本で言うところの「心」とは何か? 今のところ読むほどにモヤモヤした感じが強くなってくるばかり。読み終えたら、すっきりするだろうか。

2006-10-20

もしもウサギにコーチがいたら ([著]伊藤守) #2

通勤の友としてカバンに入れて持ち歩き、本日読了。 コーチングというのは聞くことなんだな、と思った。この本の大半がうまく聞くこと、聞き出す(引き出す)ことについて書かれているから。あれこれ指導(指図)することではないんだ、とわかった。

確かに考えていることと、行動の間には誤差がありますが、行動はより深く、強く考えていることと結びついています。 (p.216)

表層意識というか、上っつらで考えている部分では行動を左右している思いはわからない、ということか。

2006-10-18

もしもウサギにコーチがいたら ([著]伊藤守)

最初の章「コーチングとは何か」と続く「コーチングのStep 1」を読んだ。別に誰かにコーチングしたいわけじゃない。誰かをコーチングしなければならないわけでもない。いや、一人、コーチングしたい奴がいる。というかコーチングでも何でもしてどうにかしてやりたい奴がいる。どうにもわがままで、怠堕で、何かって言うとすぐに「メンドウだ」と口ぐせのように言う奴が、知り合いに、それもごく近しい知り合いに一人いる。それは自分自身だ。

「コーチングとは何か」は

実際にあなたがウサギをコーチするとなったら、何をどのようにするのか具体的な策が必要です。・・・(中略)・・・この状況でウサギが考えを変え、自発的に行動を変えるようになるために、「あなたがコーチならウサギとどう接するか」について考えてみてください。 (p.31)

としめくくられている。この「ウサギ」を「自分自身」に置き換えて読んでみよう。それで、できれば自分自身が

個人の能力をいかんなく発揮し、仕事や人生そのものを豊かにする (p.27)

ことができるようにコーチしてやろう。

2006-10-16

MIND HACKS ([著]Tom Stafford, MattWebb, [訳]夏目大)

「序文」と「はじめに」を読んだ。「序文」で気に入ったフレーズは「脳は・・我々の意図とは無関係に・・自動的に動いている」というもの。メタっぽい書き方に引かれる。意識がどこからやってくるのかは、正直どうでも良いけれど、その背後の自動機械としての脳がある、というのはおもしろい。また「はじめに」では、心の成立ち(脳の仕組み)を知ることで「自分だどうやって動いているのか」についての理解が深まる、とある。これも同じ理由でおもしろい。

どこから読んでも良いとのことなので、この先まずは「7章 推論」から読み進めよう。「人間は・・純粋な論理は苦手である。・・論理的思考について見ていく」となっているから。論理が苦手だという背景に自動機械としての脳があると思うと、これまたおもしろい。

2006-10-12

漱石文明論集 ([編]三好行雄)

『私の個人主義』を読んだ。初めてこの講演記録に触れたのは、中学か高校の教科書だった。以来、何度になるか。 今日思い至ったことがある。それは、前半に書かれていることは、成長のプロセスだったんだ、ということ。漱石の言葉を借りれば、おう悩(か、漢字が出ない)の果てに啓発を得る。 これは人が人生の中で何度も繰り返すことで、その度に成長する。あまり、おう悩したくはないけど、悩むことなしに成長もない。

2006-10-10

シリコンバレー精神/グーグルを生むビジネス風土 ([著]梅田望夫)

通勤のともとして電車の中で少しずつ読んで来たが、今日で読了。読んでいる間は、仕事って何だろう? 働くって何だろう? そんなことをよく考えた。

紅一点論 ([著]斎藤美奈子)

枕元に積んで少しずつ読んで来たが、先ほど読了。おもしろい。文体も読みやすい。同じ著者の他の作品も読みたくなった。近所の書店で探してみよう。

白骨の語り部/作家六波羅一輝の推理 ([著]鯨統一郎)

2時間弱で読了。『邪馬台国・・・』のような作品を期待しては裏切られ続けてる。

2006-10-09

知的生産の技術 ([著]梅棹忠夫)

2、3度目の読み返しかな。読む度に思う、この本で言う知的生産の技術って(京大式)カードとその利用法のことなのか、 と。今ならブログかwikiの活用方法となるか。この本が出版されてから約40年。道具は間違いなく進歩したけれど、知的生産の技術の本質となるとどうだろうか。