さきほど読了。読後の印象がもやもやしていたので、整理するために軽く見返してみた。
第1章と第2章はそれ以後の内容のための準備。第3章が本論。第4章がその補強。最後の第5章は本論に対する別の見方の紹介。といったところか。章名を上げておくと以下のとおり:
- 科学マインドを理解する
- 日常議論から科学的な議論へ
- 科学的説明の論理
- 説明理論構築の実際とその検証
- 科学者の誠意とは何か?
章を追うごとに科学哲学(メタ科学)の様相を深める。とくに5章はそのまま科学哲学の話になっている。
肝心の3章の中身について俯瞰してみる。「知りたい」という素朴な気持ちの発露から説き起こして、「実態調査型研究」と「仮説検証型研究」の別を述べ、さら には科学では後者が重視されること、その方法論として「仮説演繹法」があることを述べる。この「仮説演繹法」が本書のテーマである「科学的に説明する技 術」そのものだ。
「仮説演繹法」については、p.139の図がわかりやすいか。こんな感じ(↓):
観察などによるデータ収集 → 仮説の形成(帰納的推論) → 予測を導く(演繹的推論) → 予測の実験的確認 → (A)
(A)で予測が誤りであれば「反証」されたことになり「仮説の再構成」に、正しければ「確証」されたことになり「仮説が真に近づく」と。
5章で「さわりの部分」だけが紹介されている科学の方法(仮説演繹法)に対する批判に関して、もっと知りたくなったかな。
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