2006-12-10

Google誕生 ([著]デビッド・ヴァイス/マーク・マルシード, [訳]田村理香) #4

8章から11章を読んだ。広告を表示することで収益を上げるというビジネスモデルを選んだGoogleがその規模を飛躍的に拡大していく過程が描かれている。

検索結果に広告を表示する方法、広告から広告料を集める方法、Googleらしくテクノロジーとイノベーションによってこれらを改善する。米国の検索エンジンとしてスタートしたGoogleが、ユーザは世界中に広がっていることに気付く。AOLやAsk Jeeves(Askは検索エンジンとしては競合相手でもある)といった企業との提携を実現し、検索技術や広告表示技術の業務提供を始める。また、9章では現CEOであるエリック・シュミットが参加し、いよいよ巨大企業への道を進み始める。

今回読んだ部分でとくに興味を引かれたのは8章にある以下の一節。

エリック・シュミットは、グーグル社のCEOに就任するやいなや、サーゲイとラリーに重要な質問をぶつけてきた。それは二人が今まで考えたことのない問題点を突いた質問だった。グーグルを使って検索している人たちはどこで検索をしているのかね? そして広告を出している企業はどこからその広告を入れているんだい?
(p.157)

Googleは米国の企業として誕生した。しかしその提供するサービス(価値)は誕生当初から米国に留まるものではなかったのだ。当時は(ひょっとしたら今も?)ウェブ上の情報の多くは米国内に存在していた。一方でそれらに価値を見出す人々は世界中にいた。(特殊な状況下にある場合を除けば)インターネット上には国境はない。コンテンツはローカルに集中していても、ユーザはグローバルに拡散していたのだ。それから数年、今ではコンテンツも世界中に存在している。Googleのサービスも(そしてビジネスも)グローバルに展開されるようになった。中心である検索と広告のサービスは言うに及ばず、Gmailのように比較的新しいものも多数の言語に展開し、提供されている。

Googleは誕生した瞬間からグローバルな存在であることを運命づけられていたのだ。

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