- 栄光への飛翔 ([訳]斉藤伯好)
- 復讐への航路 ([訳]斉藤伯好)
- 明日への誓い ([訳]斉藤伯好・月岡小穂)
先週の週末(2006-12-23、24)にシリーズもの3冊を読了。シリーズタイトルは「若き女船長カイの挑戦」。3作で終わりかなと思っていたら、解説によればどうやら続きが2作ほどあるらしい。
内容は「明日への誓い」の解説にもあるとおり正統派スペース・オペラそのもの。おもしろくないわけじゃない。読んでいる間はそこそこ楽しい。ただ、読んだ後に何も残らない。
アンシブル(いわゆる超光速通信技術の一種)を使った恒星間ネットワークを独占した企業(?)の存在とか、恒星間通商によってゆるやかにつながった星系国家群とか、おもしろそうなネタは転がっているんだけど、物語はどうもそっちの方向に転がってくれそうにない。主人公の葛藤と成長は活劇の基本だとは思うけど、どうにも感情移入ができない。問題の起こりそうな状況で問題が起こらず、その分、唐突に戦争やらテロやらに巻き込まれたり。分量が多い割に、何が書いてあったのかなと読後の満足感が薄い。何でこんなに分厚いのかね。
ところで、この著者のエリザベス・ムーンは「くらやみの速さはどのくらい」という作品の著者でもあって、こちらは訳書(ハヤカワ書房のハードカバー)の帯によれば「21世紀版『アルジャーノンに花束を』」だとのこと。ある意味、べたぼめとも言えるコピーなんだけど、2004年のネビュラ賞受賞作だとのことで、あながち誇張でもないのかも。次はこちらを読んでみようか。
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