読みにくくはないんだけど、なんとも不思議な印象を受ける文体だ。「訳者あとがき」に「奇書と言ってもいいくらいである」というのも、読み出してみると納得できる。
「まえがき」「プロローグ 宝石商のビロード」「第1章 スキームの市場」まで読んだところ。第1章ではライプニッツが話題の中心。ライプニッツといえば、ニュートンと並んで微積分の創始者として有名。さらに「訳者あとがき」によれば、
十七世紀にゴットフリート・ライプニッツは、計算機を組み立て、この世界に関するあらゆる真理が体系化される普遍的な書記法で書かれた記号言語を思い描き、あらゆる概念のリストを構想し、記号の機械的操作だけであらゆる問題に結着をつけてしまうアルゴリズムを想像することを夢想した。
とある。ただこれらは完成されることはなく、構想や夢想で終わってしまったようだけど。著者はその構想がアルゴリズムの始まりだったと言う。ちなみに↑の「訳者あとがき」からの引用と同じ内容を、この著者が表現するとこんな感じになる(p.31):
しかし、普通の人が普通の百科事典に関心を抱くところを、ライプニッツは、その他のもの、それ以上のものに関心を抱いた。人間の概念の百科事典、人間の思考一式 -- 人間性、復讐、敬虔、美、幸せ、善、快楽、真理、貪欲、衛生、手続き、合理性、礼儀正しさ、機敏さ、運動、気難しさ、従順さ、マナー、正義、能力、戦争、芸術、計算、義務、仕事、言語、たわごと、情報、女性、公平 -- 人間が抱く概念すべて、したがって人間の考えることすべてを包括的に含む百科事典だ。
奇妙な「読み味」だよね。
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