2008-09-17

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版) #4

ネットワークの特性

9章と10章。

第9章 アキレス腱

ハブを持つネットワーク(適応度付きの成長するスケールフリーネットワーク)は以下のような特性を持つ:

  • 故障に強い
  • (意図的な)攻撃に弱い
第10章 ウイルスと流行

(第9章の続き)
ハブを持つネットワークは以下のような特性も持つ:

  • ウイルスのような感染(ウイルス感染型の拡散)に弱い

言い方を変えれば、これがネットワーク(ハブを持つ・・・)の中を「何か」が拡散するときに示す特性。

2008-09-14

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版) #3

ネットワークモデルの進展

2章から8章まで。

第2章 ランダムな宇宙
  • ランダムネットワーク
    • グラフ理論 (ケーニヒスベルクの橋問題)
    • → エルデシュ
  • → 巨大クラスターとなる(全てのノードがつながる)。
  • → 現実を写しとったモデルとは言えない。
第3章 六次の隔たり
  • ランダムネットワークは参加するノードの数とくらべて、直観に反するほどノード間の距離が小さい。
  • → 小さな世界
    • → 巨大クラスター(全てがつながる)となるから。
第4章 小さな世界
  • エルデシュ=レーニィのランダム・ネットワークモデル
    • → ネットワークが巨大な(単一の)クラスターになる(全てがつながる)。
  • グラノヴェッター
    • → 社会は高度に相互連結されたクラスタ構造 ⇒ ワッツ=ストロガッツのモデル
    • → 様々な(現実の)ネットワークにクラスタ構造が見られることがわかってきた。
第5章 ハブとコネクター
  • ハブとコネクターが存在する。
    • → クラスター構造でもない。
  • 三つの疑問
    • ひとつのネットワークに対し、ハブはいくつ存在するのか(できるのか)?
    • どのようにしてハブはできるのか?
    • なぜ、これまでのモデルではハブの存在を説明できないのか?
第6章 80対20の法則
  • スケールフリーネットワーク
    • → ベキ法則にしたがうネットワーク
    • → ハブが存在しうる。
  • 自己組織化、相転移が起きるときスケールフリーネットワークが出現する。
第7章 金持ちはもっと金持ちに
  • (現実の)ネットワークはランダムではない。
    • → 成長する。
  • ノードは平等ではない。
    • → 優先的選択(多くのリンクを持つノードほど、さらにリンクを獲得しやすい)
  • 「進化するネットワーク」の理論
    • → 自己組織化も相転移もいらない。成長と優先的選択という組織化の原理で説明できる。
第8章 アインシュタインの遺産
  • 「進化するネットワーク」の理論により生まれるスケールフリーネットワークには新入りが成功する見込みがない。
    • → これも、現実とは異なる。
  • 優先的選択に対して、適応度を取り入れる。
    • → 競争と成長による適応度モデル
    • → 新入りが生まれる余地ができる。
  • 「一人勝ち」ネットワーク
    • ある種のスケールフリーネットワーク(適応度つき)では「一人勝ち」が起きる。
    • → マイクロソフトがその実例

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版) #2

導入

第1章がこの部分。

  • 還元主義の限界
  • 部分を組み上げることができない。
    • 複雑性
    • 自己組織化
    • → どちらも「ネットワーク」がキーワード
  • ネットワークの普遍性
    • どこにでも見つけることができる。
    • → ネットワークで世界を理解できるのでは?

邦題の副題にもなっているように、世界のしくみを理解することが本書の目的。ネットワークの理論を通して、世界を見るということ。

新ネットワーク思考 -- 世界のしくみを読み解く ([著]アルバート=ラズロ・バラバシ, [訳]青木薫, [版]NHK出版)

構造

章 内容
1 導入。目的定義。
2 〜 8 ネットワークモデルの進展
9 〜 10 ネットワークの特性
11 〜 14 スケールフリーネットワークの実例
15 まとめ
新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
アルバート・ラズロ・バラバシ
NHK出版 ( 2002-12-26 )
ISBN: 9784140807439
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

2008-09-06

時砂の王 ([著]小川一水, [版]ハヤカワ文庫/HJA901)

眠る前にちょっとだけ、と読み始めたら一気に読了。金曜の夜で良かったよ。

時間SFとしては「夏への扉」のような感じか? いやいやエンディングを思えば「未来からのホットライン」(J.P.ホーガン)を思い出させるかな。戦争SFっぽさを見るなら「宇宙の戦士」か。いやそれより「終わりなき戦い」(ジョー・ホールドマン)と言うべきか。

読み終えてすぐに思ったこと。「これアニメ化しないとダメでしょ」。

2008-07-14

理性の限界 -- 不可能性・不確定性・不完全性([著]高橋昌一郎, [版]講談社現代新書)

「序章 理性の限界とは何か」と「第一章 選択の限界」を読んだ。序章を読んでいるときはそれほどおもしろそうには思わなかった。第一章を読んで印象が変わった。いやあ、オモシロイ。

アロウの不可能性定理(Wikipediaでの表記はアロー)っていうのは初めて知ったのだけど、これが何ともおもしろい。民主主義っていうか、選挙に代表されるような投票という行為をモデル化し、「おいおい、お前らが大事にしている民主主義って、実は不可能なんだぜ」ってことを証明してしまった、とか。それでノーベル賞(経済学)を受賞した、とか。

もちろん、不可能なのはモデル化された民主主義(それも完全民主主義っていうらしい)であって、実在の制度やら何やらに不備があるとかどうとうか、そういうことではない。まあ、第一章を読んでいると、不備だらけだろっ、って思えるけど。

オモシロイのは民主主義が不可能だとかそういうことではなくて、民主主義なんていう数学(や科学)とはおよそかけ離れたところにありそうなモノが、少数の条件(この本では 2 + 4 で 6つの条件が挙げられている)でモデル化できるってこと。この定理の存在を知ることができただけでも、この本を買って読んだ(まだ 1/3 だけど)価値がある。

序章では、人間の理性(哲学系らしいからねえ、科学系ならヒトの知能とか知性って表現するだろうけど)に対して 3 つの限界を提示している。すなわち「選択の限界」「科学の限界」「知識の限界」。このうち「選択の限界」に当たるのがアロウの不可能性定理だ。残りの 2 つは、それぞれ「ハイゼンベルクの不確定性原理」と「ゲーデルの不完全性定理」。サブタイトルにある 3 つの「不*性」がここに現れる。

2008-07-10

iPodは何を変えたのか? ([著]スティーブン・レヴィ, [訳]上浦倫人, [版]SoftBank Creative)

今、第九章を読んでいるところ。熱い。グッとこみ上げてくるものがある。このあたりはレヴィの真骨頂だねえ。「ハッカーズ」も「マッキントッシュ物語」も熱い本だった。

iPod とは初代からの付き合い。ほとんど 7 年がたったんだねえ。初代は壊れてもう動かない。肥大化する一方のライブラリに対応するために買った四つボタン(第三世代)はまだ動くけど使っていない。それどころか、さらに肥大化したライブラリのために買ったVideo iPod(第五世代)すらホコリをかぶった状態が続いている。今の主力は nano (第二世代; 8Gの黒)。実は nano も二台目。第一世代の白 nano は黒 nano が出るまでは主力だった。あ、そうそう、ほとんど使うことはなかった初代の shuffle もある。

「第六章 アイデンティティ」。iPod のライブラリを人とくらべるとか、見せるとかっていう発想はなかったわ。なんか、ちょっと恥ずかしいし。あ、それは人に見せられないような曲やら歌やらばっかり聴いているってことか。(´・ω・`)

「第八章 シャッフル」。うん、ここを読んでから数日というもの、nano をずっとシャッフルで聴いている。普段はどちらかというと、同じ曲を何度も何度もリピートしているタイプなんだけど、シャッフルも良いね。通勤で、本を読みながら聴いていて(というか聴きながら本を読んでいて)、思わぬ曲が不意打ちでかかって読むのが止まってしまうこともあったり。

第九章を読み終わったら、また改めて書くことにしよう。

iPodは何を変えたのか?
スティーブン・レヴィ / ソフトバンク クリエイティブ ( 2007-03-29 ) /アマゾンおすすめ度