2008-12-12

第28回 不在問題 ([著]増井俊之, [版]WIRED VISION BLOGS)

増井俊之の「界面潮流」: 第28回 不在問題

私が運営している本棚.orgQuickMLなどのサービスは、ユーザIDもパスワードも登録せずに利用することができるようになっているのですが、ユーザやパスワードの登録が要らないことに気付いて喜んだ人はほとんどいないようです。ユーザの個人的な情報を扱うシステムなのにパスワードを使わずに利用できるということは大きなメリットがあると考えているので、私は自分のサービスでは極力ユーザIDやパスワードを利用しないようにしているのですが、「パスワードを利用しない」ということの利点はなかなか理解してもらえないようです。

「パスワードを利用しない」っていうか、特定の個人に結びついたデータを本人をふくめて不特定の人々が更新できる、という状態だよね。一般的には受け入れがたい状況なのだけど、場合によってはこれが受容可能なこともあるんじゃないか?

もちろん、いわゆる個人情報を勝手に書き換えられるのは困るし、なりすまされるのも問題だ。けれど、わざわざ他人にひもづいたものを書き換えようと思わない(あるいは書き換えることで得られる「何か」が手間に見合わない)、そんな情報はないのだろうか?

ひょっとしたら、「誰でも書き換えられる」方が積極的に喜ばれることもあるかも。「本棚」や「ML」がそうなのかはわからないけど。ああ、やっぱりそういう状況はちょっと想像できないな。

とはいえ、いつだって想像力不足っていう可能性はある。だとしたら、そこにイノベーションの可能性もある。発明おじさんはそういうことを言いたいのかしら(・ω・)?

そうそう、Wiki はちょっと違うよね。そもそもの Wiki は特定の個人に結びついていない情報(つまりみんなの共有情報だ)を誰もが編集できるっていうものだから。ま、運用次第ではあるけど。

0 件のコメント:

コメントを投稿